無題

深夜零時過ぎに起きてきて音楽を聴きながらあれこれ読書。再読が多い。本を読みながら雑用を片付ける順番を思案する。

何となしに考えていたのはニーチェのことだった。私はニーチェが反動思想家だと思ったことがない。日本にはキリスト教が定着していないから彼の批判も空回りで無意味だとも感じたことがない。昔から好きなのは『この人を見よ』で、そこで彼は、自分は私の父としてはもう死んでおり、母としてはまだ生きている、と書いている。若くして亡くなった父親は、彼の表現では、影のようなというか、生きているうちから「生の想い出のような人」だったのだという。だからそれがどうしたということはないが。

柄谷行人『意味という病』、特に「マクベス論」。NAM以降の氏と同一人物とも思えないが、マクベスは魔女の予言を拒絶した……ありもしない敵と戦うのをやめた。そうすることによってそれを存続させるから。ーーということでゼロ年代以降の氏だけでなく、キリスト教と格闘したニーチェのことも考えるが、簡単に結論が出るような話でもない。