白井聡『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)

図書館に足を運んだら白井聡氏の『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)が入っていたので借りてきて読んだ。白井氏は戦後日本、さらには明治維新伊藤博文)以降の日本を問題にしている。そして、3.11以降の状況も。

最初の読後感は自分は同意できないということである。明治維新以降の枠組みがいかに問題的であろうと、それを覆したり組替えることは恐らくほとんどできない。戦後体制が安倍晋三とはまた違う意味で終焉しつつあるから我々が主体的に終わらせるべきだといっても、そんな方法はありはしない。恐らく、絶対にない。

白井氏の主張は恐らく正しい。明治維新において、また、45年の敗戦において抑圧されたものはあるが、それを回復することは絶対にできない。例えば、本土決戦を回避することによって、まさに革命の可能性が葬られたのだとしても、それは二度と取り戻すことはできないし、そうすべきではない。そうしようとすべきではない。もし、再び革命をという人々がいたならば、そういう芽は早いうちに摘んでおくべきである。

ひまわり

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フランク・シナトラの肖像(紙ジャケット仕様)

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