独裁/ファシズム

香山リカ『「独裁」入門』を皮切りに、独裁/ファシズムについて少し読み始めている。カール・シュミットの『独裁』、ロバート・パクストン『ファシズムの解剖学』などである。

私はこういう歴史や政治については門外漢、ずぶの素人だから、読み間違いも多いかもしれないが。とりあえず、幾つかのありようを分けて、その違いと共通性を考察したほうがいい、と思った。

まず、シュミットが言及している古代ローマ。近代では、まず18世紀のフランス革命からナポレオンに至る展開。19世紀のナポレオン三世ボナパルティズム)。

20世紀は、まず、ファシズムとボルシェヴィズム(プロレタリアート独裁)。前者をさらに、ドイツのナチズム、イタリアのファシズム、日本の超国家主義に分ける。

1945年以降は、ソ連全体主義体制(スターリニズム)。アメリカの覇権。

ソ連崩壊以降は、それまで抑圧されてきた民族的憎悪の噴出によるもろもろの地域内戦。そこまで至らなくても、日本を含め世界各地で排外主義が台頭し、権力掌握には程遠くても、ネオナチ、「行動する保守」、在特会その他が出現してきている。

そして、その流れで、2012年現在の日本の状況が問題だが、それはもはや国家社会主義だとか国家労働者党などではなく、新自由主義勢力と癒着し蜜月関係にある。そこには政策や内的理念、ロジックの違いがあると思えるのだ。

香山リカ橋下徹からTwitterで、安倍晋三からFacebookで名指しで非難され攻撃されている。それはむしろ名誉かもしれないが、精神科医よりも橋下批難、安倍批難が本業となりつつある、という揶揄はちょっと真面目に受け取るべきかもしれない。

私は、政治学ではないが、フロイトの『集団心理学と自我の分析』における催眠、惚れ込みなどの概念が重要だと思う。それはヒトラー以降、特に最近は、精神分析学などではない「科学的」心理学やマーケティング・広告の知、テクノロジーとして展開されているが。