なぜならばもし種子が…

女と男がウェヌス(愛)の種子を一緒に混ぜ合わせるとき、脈管の中で相異なった血から(胎児を)形づくることの力は適度の混合を保つことによってのみよき体格の体をつくる。なぜならばもし種子が混ぜ合わされるとき力が互いに戦い合って、混ぜ合わされた体の中で一つの力とならないならば、それらは恐ろしい力となって生まれつつある胎児を両性の二重の種子によって苦しめるであろう。

内山勝利編集『ソクラテス以前哲学者断片集 別冊』(岩波書店)、p.79。パルメニデス、断片18。