com-post往復書簡を読むへの補足

結果的に後藤さんではなくmiyaさんへの批判になったとしても、往復書簡のひとつの中心が彼の思想であるのは確かです。往復書簡をよく読み返して、彼の理論的根拠が丸山圭三郎であることがよく分かりました。それも丸山の学問的出発であるソシュール研究ではなく、晩年の文化理論です。それが悪いとはいいませんが、当時の時代的限界があるのも明らかでしょう。そこを見極める必要があります。

さて、私はジャズファンですが、残念ですが、ジャズを語っても後藤さんや他の皆さんの認識には遠く及びませんので、往復書簡の感想をいうくらいしかできません。餅は餅屋といいますし、私が大西順子ジャッキー・バイアードなどについて素人の意見をいうよりは、往復書簡の疑問点を述べるほうがましでしょう。ジャズについていえば、できればハインズとテイタム、或いはもし可能ならそれ以前(ジェームズ・P・ジョンソン、ジェリー・ロール・モートン)を聴きたいです。といえばもうお分かりのように、私の関心はジャズ・ピアノ、それもモダンになる以前のそれにあります。

往復書簡についていえば、益子さんという人(この人のことをまるで知りません)の述べた疑問が的確だったと思います。後藤さん、miyaさんは『文化のフェティシズム』を論拠に益子さんに反論しましたが、益子さんのいうことをもう少し熟慮したほうがよかったような気がします。私が読んで感じた疑問は彼とほとんど同じでした。つまり、あれこれを全て等号で結んでいいのだろうか、ということです。