一番有名な歌

あら磯に浪のよるを見てよめる
おほ海の磯もとゞろによする波われてくだけてさけて散るかも

源実朝の遺した歌で一番人口に膾炙しているのはこの歌であろう。詩人の究極Q太郎さんもこの歌をいたく好んでおられたことは懐かしく思い出す。確かに良い歌だ。叙景になにか不穏なものを象徴させるという行き方は記紀歌謡の頃からあった。(小堀桂一郎『和歌に見る日本の心』p13-14)

和歌に見る日本の心

和歌に見る日本の心