ざらすとろさんや千坂恭二@ガイストさんの思想表現への応答の試み

ざらすとろさんのことは右翼だと思っていたが、本人の弁によれば左翼とのことである。だが彼の主張は、民族派右翼というように、「民族派」左翼とでも言うべきものである。彼は、6.11デモでヘイトスピーチに反対する会と揉めた一方の当事者である。園良太さんとも対話したようだ。彼が第二次世界大戦、太平洋戦争の歴史認識についてtweetしていたので、応答しようかと思った。
あの戦争において、日本が一方的に悪い「だけ」であるというのは事実誤認であろう。現実としては欺瞞だったとしても、大東亜共栄圏という理念(虚妄だったとしても)を掲げていたわけだから、ざらすとろさんの言うように亜細亜主義を吟味すべきだし、千坂恭二@ガイストさんの言うように「極右」「反動」を吟味することも必要だろう。
前もって言っておけば、私は凡庸な左翼・リベラルだし、護憲派だから、目が醒めるような斬新な認識など出てきようもないのだが、次のように思う。
1945年以前の日本が悪いとすれば、それは帝国主義列強を模倣し彼らに伍そうとしたことであろうと考えている。そして帝国主義は戦前のスタンダードであった。大日本帝国はスタンダード、標準、普通を目指したが故に誤っていたと思うのである。明治維新以来。
しかし、そのように語れば、当然、欧米列強に伍そうとしていなければ、他のアジア諸国のように欧米帝国主義列強の植民地になってしまっていたはずではないか? という反論が来るのは間違いない。そして、「日本は植民地になるべきだった」とは言えないから、ここで議論はアポリアに陥る。
第一次世界大戦にせよ第二次世界大戦にせよ、善悪や正義をナイーヴに持ち出して裁断することはできないはずだ。そこには大きな背景として帝国主義とその行き詰まりという問題圏があったはずで、日独伊の「ファシズム」もこの帝国主義の行き詰まりへの応答の試みとしてあったはずなのである。
その歴史を再び吟味する必要を感じる。