三四郎など

先日から読み進めている夏目漱石三四郎』、「十」まで読み終わった。これで最後まで読み通せる見通しがついてきた。だが、ちくま文庫版の『夏目漱石全集 5』には『それから』も入っている。それまで読めるかどうかは、疑問だと思う。
漱石の女性観について暫し考える。『三四郎』の美禰子は「無意識の偽善者」なんだそうだが、自分にはどこがそうなのか、さっぱり分からぬ。読解力が足りぬのだろうか。『虞美人草』の藤尾なども、何故悪い女だとされるのか、何故死をもって罰せられるのか意味が分からぬ。ということは、自分は漱石の女性観について理解できぬところ、同感できぬところがあるのだろうと思う。なんというか、余りに男性中心の女性観のように思えてならぬ。
そうはいっても、漱石の作品が傑作であることは動かぬ。読んでいてなかなか面白い文章である。