イギリスの暴動に思う。

ヨーロッパで極右的な排外主義が台頭しており、ロンドンから発信している日本人がその排外主義的な主張をそのままなぞったものだとすれば、いささか残念でもあり、問題だとも思う。ただ、現実そのものはあるわけで、それと向き合う必要を感じる。
古い年老いたヨーロッパ、その理念は瀕死なのか? 自由や多様性の尊重、寛容などはもう、通用しない世の中になりつつあるのか? しかしそれでも、私はそのような社民的な理念の支持者であり続けたいと思う。
ノルウェーのテロリストは、日本を理想的な国として褒め称えた。だが、それは、日本そのものが差別的、排外主義的で、人権後進国だということでしかない。移民労働者、外国人らに拒否的で差別的である日本は、入管の酷い現実に象徴されるように、他者へと門戸を閉ざし続けている。自分にはそのような日本が最良の国だなどとはまるで思えぬ。
ヨーロッパもアメリカももはや規範ではあり得ないとしても、日本がナンバーワンだということにはならない。「歓待」を欠いた日本が理想的な国であるなどということはない。ノルウェーのテロといい、イギリスの暴動といい、ヨーロッパ的社民主義の価値観を揺るがすような事態が続いているが、自分としては相変わらず福祉や寛容を求め続けていきたい。