からの抜き書き。
何年か前に、とても心配そうな学生に質問されました。「反原発運動はなくなるでしょうか?」。聞いて笑ったというか、苦笑いしてしまいました。なくなるわけがないと。
なぜかというと、原発があれば、いつかまた放射能が漏れる、事故は必ず起こるからです。人が忘れたとしても、とにかく問題は続きます。つまり、運動が起こったり、復活せざるをえない状況はなくなっていない、ということです。
反原発運動は、ユートピア主義とか理想主義とか、何かのイデオロギーに基づいた運動ではなく、現実に存在する問題に基づいた運動です。誰がどんな思想を持っていたとしても、放射能が漏れると同じように困る。放射能が漏れるかどうかは、意見や思想によって決まることではありません。それは現実なのです。
実際に放射能はこれまで何度も漏れたし、故障しない機械などありえないというごく当たり前のことを思い出せば、これからも漏れるということは分かります。ですから、反原発運動は残るかなくなるかではなく、間に合うか間に合わないか、が問題なのです。大きな事故が起きたあとでまた反対運動が盛り上がるのか、それとも運動が成功して事故が起きないように(原発をなくすことが)できるかどうか、なのです。
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