新しい哲学〜エコゾフィー、スロソフィー

地域通貨研究所です(^^)/

『スロービジネス読本2』などで、スロソフィー(スロー哲学)が語られているのに共感しました。それで私が連想したのは、辻さんやダグラス・ラミスの本と同じく平凡社ライブラリーに入っている、フェリックス・ガタリの『三つのエコロジー』で言われている、エコゾフィーという言葉でした。

いずれも、環境(エコ、スロー)を気遣う新しい哲学、思索だという意味なのですが。私は、もともと、哲学者です。ジル・ドゥルーズなど、フランス現代思想と呼ばれるものを研究していました。しかし、大学院を修了して世の中に出てみると、「存在」や「差異」を巡る高度に抽象的な思索に満足できなくなりました。日々の生活を、暮らしを変えるような、そういう思考と実践に興味が向き始めたのです。

例えば、ニュースタート二神能基さんによる、『希望のニート』(新潮社)です。これは狭義には哲学書ではありませんが、広く捉えれば一種の思想書だと思いました。

ひきこもり・ニートは、究極の「スロー」をやっているわけですね。賃労働をボイコット、サボタージュしている。現在の資本制経済の競争社会に馴染めないという人達です。そこに「希望」を見る二神さんの視点、とても興味深いと思います。

勿論、ひきこもり・ニートには深刻な経済問題があります。親が亡くなった後、野宿者になるのではないか、餓死するのではないか、と心配されています。そうなる前に、社会の側がセーフティネットを用意することが必要です。それも、「スロー」の実践だと思います。

かくいう私も、他人事ではないのですが。一応、芸音音楽アカデミーというビジネスをやっていることになっていますが、余りにも「スロー」ですから(笑)。喰うに困るということもあるかもしれません。しかし、どうなっても、何とかなる、という楽観主義を持っています。