think31への応答

http://d.hatena.ne.jp/eaglegoto/20101119/1290156568
うち(芸音音楽アカデミー)で地域の高齢者にカラオケを教えている母親の口癖は「音楽は数学だからね」である。どういう意味かは、息子である私にもよく分からないのだが、要するに音楽は数学のように明晰に割り切れる理論を元にできていると言いたいのだろうか。だとすれば、うちの母親の主張は、典型的な主知主義的倒錯(アマチュア・ミュージシャンが陥りやすいとされる)だ。
息子である私は、音楽は数学のように割り切れるものではないと思っている。それは鑑賞者=知覚する主体の側からしてもそうだし、演奏する側からしてもそうだ。「割り切れぬ」領域、調律の狂ったピアノ、奇妙なリズム等で私の音楽は出来ている。
後藤さんはチャーリー・パーカーとその模倣者の例を挙げている。パーカー模倣者は、帰納し、次いで演繹したのだろうか? 私はよく分からない。無数にいるパーカー派サックス奏者は、パーカーの音楽を理論に還元し、そこから演繹して自己の音楽を紡いだのだろうか? 私にはそこまで言い切る確信はない。だが、ソニー・クリス等を聴いて研究すべきところではあろう。
ただ、一つ思うのは、パーカーの模倣者の誰一人パーカーを超えられなかったというのは、価値判断、言い換えれば批評家としての後藤さんの断言なのであって、客観的な事実というか、自明な事としてあるわけではない。パーカーの偉大さは認めつつ、パーカーよりマクリーンのほうが好きだという人がいてもおかしくない。趣味嗜好の領域であろう。
もっと言いたいことはあるが、また後日頭を冷やして考えることにして、ここで一旦送る。