後藤さんのブログへのコメント

id:eaglegotoさんへのコメントです。
後藤さんに触発されて図書館でフーコーの『言葉と物』を読み返しているのですが、非常に面白いです。最初はとっつきにくいと思ったんですが、後半怒涛の面白さですね。
パオロ・ヴィルノという現代イタリア思想の人を推薦しましたが、『言葉と物』を読んだ感じではフーコーヴィルノに同意しなかったと思いますね。何故なら彼は、近代西欧の特定的概念である「人間」の消滅を語っているのだから、その本性=自然(nature)などという議論には同意しなかっただろう、と思います。しかし、その齟齬も含めて面白いんじゃないでしょうか。
フーコーの議論は面白いですが、あくまで「近世・近現代ヨーロッパ」の話で(16世紀から20世紀まで)、日本など東洋は勿論入ってないし(序論でボルヘスの引用として中国が出てきますけれども、あれは西欧にとっての東洋的なもののシンボルですね)、アメリカも入らないと思うんです。勿論、後藤さんがフーコー的な認識の切断面を語るのは、類比というか、比喩としてだというのは分かるのですが。
think面白いですよ。通読すると少し疲れますが。当時から、netjazzさんやめひかりさんと論戦が続いていたのですね。数年越しの議論! 凄いけれど、確かに消耗もするでしょうね。

ポストフォーディズムの資本主義―社会科学と「ヒューマン・ネイチャー」

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