補足

ところで注釈的に言い添えておきますと、理念的対象とは『経験と判断』その他におけるフッサールの用語で、フッサール憲法という例を挙げています。日本国憲法を考えてみれば分かる通り、私達はそれの理念を繰り返すことができるでしょうが、「日本国憲法」自体が特定の日付と文脈を持っていますし、それの反復も同様ですよね。

言わんとするところが曖昧かもしれないと思ったので補足しますね。
私が言いたかったのは、理念(普遍)は特定の日付と文脈を持つ歴史のダイナミズムの只中から・そこにおいて生成する、ということでした。明星一平さんが整理してくれたのと同じ事態だと思います。
私自身は、明星さんが矛盾を指摘するような極端な相対主義者に近いと思いますが、ここでは自己の主張を抑制し、穏健な相対主義者(普遍や理念の存在を認める)に徹しています。