ジョン・コルトレーン / バラード

バラード

バラード

ジョン・コルトレーンの『バラード』は、一応名盤ということにはなっているけれど、それに反撥する人もいる。これは、そもそも偶然の事情で吹き込まれたものだ。当時コルトレーンは、ばりばりのフリーを演奏していたけれども、この日、テナーサックスのマウスピースの調子がちょっとおかしかった。それで、激しいフリー演奏ではなく、スタンダードのバラード演奏にしようということになったのだという。
結果は、コルトレーンの中で最もファンから愛されるアルバムに仕上がった。コルトレーンは過激だが、優しさや叙情性も秘めていたとよく分かる。ごく初期からそうだったのだが。