『生きる』-30

その晩、攝津は一気に橋本治の『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(新潮社)を読了したが、不快と不安と深い深い抑鬱は去らなかった。のみならず生理感覚のように纏わり付いた。この出所の分からぬ不安は何だろうか? 自己嫌悪? 挫折感? 自分は無為無能だという感覚?

「三島由紀夫」とはなにものだったのか (新潮文庫)

「三島由紀夫」とはなにものだったのか (新潮文庫)