続き
言いようのない不快の念と拒絶の意志は、例えばカントの『道徳形而上学原論』において彼が自殺は自己に対する内的完全義務への違反である、などと述べるのを読むときに感じる。
- 作者: カント,Immanuel Kant,篠田英雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/01/01
- メディア: 文庫
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また、「派遣切り」などについて、NHKにノーベル賞作家の大江健三郎が登場して、若者に対して楽観主義を説き、亡くなったサイードが、パレスチナ問題について、人間がやっていることだから人間が解決できないはずがない、と語ったことに言及し、希望を説いていたが、私にはそれは空疎にしか響かない。大江健三郎は好きな作家だし尊敬しているが、この発言はいただけない、と思った。
ホリエモンが太田総理に出演して、ネットカフェ難民について、冷暖房付きでネットもできるなんて恵まれている、と語ったときにも反感を覚えた。だったらおまえがその生活やってみろ!と言いたかった。
とにかく、困窮なり希死念慮というのは現実の問題なのであり、それを生きる個々人の特異な問題なのであって、安易な解説を許さないものだと思う。