あかねでの交流

今日のあかねはMさんとKさん。Mさんは初めて来店された方で、インターネットで僕のことを知り興味を持ったというジャズに詳しい方。Kさんは常連。

で、音楽話するが、Kさんが先日もしてくれた話をした。彼が中学生の頃沖縄に赴任してきた国立(くにたち)出の音楽教師(女性)の話。彼女が中学生の頃、ピアノの先生はレッスン一回五万円で、一回でも音を外すとその場でレッスン終了。で、同じ習っている生徒に指が短い男の子がおり、先生は「貴方いくら努力しても無駄よ」と言い、彼が自分の指の股を切ってくると「死んだほうがいいわよ」。で翌日飛び降り自殺。

音楽の世界にはこういう残酷物語がごろごろ転がっている。

僕は先日たまたま見た、島田紳助の話をした。彼がM-1に関わっているのは、第一に漫才というものに恩返しがしたいから。第二に、「諦めさせるため」。お笑いに関わる人には三種類いるという。一つは才能があり売れる層で、これは幸せ。二つ目は才能がなく諦めて別の人生をいく層で、これはこれで幸せ。三つ目が、才能がないのに続ける層で、これが一番悲惨なのだという。で、三年やって準決勝まで残らなかったら辞めなさいということが言いたいと紳助は語っていた。

これは音楽業界にも物書きの世界にも言えることではと思った。先日土曜日ラジオを終えて上に上がると両親がテレ東の「音楽ば〜か」を観ていた。そしたら、32歳なのにデビューを夢見続けるキミー・ブラウニーが出ていて、彼女はなんと音楽プロダクション800社にデモテープを送り全て無視されたのだという。「それでも歌が好き」と彼女は歌っていたが、彼女は幸せなのだろうか。っつーかこういう人々を弄ってオモチャにしていいのかよ、テレ東。

Kさん、就職予備校に通い行政書士を目指しているのに、作家志望の僕より日本近代文学に詳しい。漱石・鴎外・芥川の話になる。そして彼は山本有三を愛読しているというが、『真実一路』を愛読している今時の人っているか?フツー。俺は読んでないよ。

真実一路 (新潮文庫)

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