自由と必然 続き4

今世の中で喧伝されている「自己責任論」というのは、自由の概念を悪用し、自分が今こうあるのは自分自身の責任なのだ、と大々的に宣伝している。が、われわれが生き辛かったり貧しかったりするのは、社会的諸条件に規定されてそうである側面が大きいのは言うまでもない。社会的・歴史的諸条件、環境を考慮すべきなのだ。

勿論全てを社会のせいにしても、ことは済まない。社会的にこれこれの仕方で構成されていることを自覚・承認した上で、権力諸関係の狭間に辛うじて成立する襞としての自己を発明し生産していく必要があるのだ。それは倫理の問いだ。