自由と必然 続き
サルトルは
- 作者: サルトル,松浪信三郎
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2005/09/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
サルトルといわゆるフランス現代思想(構造主義・ポスト構造主義)の関係は、デカルトとスピノザの関係に似ている。サルトルが主体(対自)の自由を強調したのに対し、構造主義はその主体そのものが構造に規定されているということを語ったわけだが、それはスピノザ的な必然性の認識に似ている。ポスト構造主義はカントに似ていると言うべきだろう。つまり、もう一度、「超越論的」な仕方で主体の自由の問題を把握する必要が出てきた、ということだ。フーコーやドゥルーズ=ガタリは「自己」なり「襞」といった概念でそれを展開している。科学(構造主義)の後に、科学に還元し切れない倫理の問いが出てくる、ということだろう。