無限回のくじ引き

ボルヘスにくじ引きと永遠回帰を結びつけた美しい文章がある。無限回のくじ引きをやるには無限の時間が必要だと考える人に反駁して、時間が無限に分割できればそれでいいのだ、と答える不思議な印象の箴言ボルヘスなりケージなりのくじ引きだったら、面白いな。制度としてどう肉付けするか、というのは別問題だけれど。

NAMの議論で面白かったのは、野宿者問題で議論が紛糾した時に関本洋司が介入して、野宿者というのは「はずれくじ」を引いたようなものだ、という喩えを出し、それを倉数茂が肯定的に引き受けなおしてメールを投げ返したやり取り。野宿生活というような境遇も、個人の資質や自己責任などではなく「くじ運」程度のことで決まってしまうということをあからさまに語ったのは良かった。