〈哲学〉に対する態度

プラトンに対する両義的な関係──ドゥルーズプラトニックだとも反プラトニックだともいえる──は、ハイデガーとの関係においていえる。かれは大文字の存在を肯定するとともに否定している。即ち、究極的な位相として、非-存在、?-存在を立てるのである(『差異と反復』)。

また、精神分析との関係も微妙である。後年は精神分析の激しい批判者となったドゥルーズも、『意味の論理学』においてはフロイトメラニー・クラインに依拠して、非身体的意味の発生を論じていた。ジジェクが『意味の論理学』を最も高く評価しているのも不思議はない。それは、ドゥルーズの全著作中、最も精神分析に接近した著作なのである。