壊されゆくイラク!

PAECE ONというNPOの、高瀬香緒里さんという方をお招きして、あかねでワークショップをする。イラク情勢の現実が、酷く悪化していて、頻繁に殺戮が起きているという話を聞き、拷問の末殺された人々の死体を多数見て暗澹とした気持ちになる。こうした現実を変えるにはどうしたら良いのか、と思うが、全くもってよく分からない。今の内戦状況に比べたら、独裁者サダムの統治のほうがまだましだったという皮肉。アメリカが無能で考えなしだったというのが最大の要因だが、割りを喰っているのは一般のイラク人達である。かれらは日々命の危険に晒され、逃げ惑う生活を強いられている。言論や表現の自由などもない。アメリカがもたらすと約束した「自由と民主主義」などは全くない。アメリカがサダムの統治を破壊した結果生じたのは、シーア派民兵が、スンニ派の市民を殺戮する、といった事態だった(逆にスンニ派武装勢力シーア派を殺す事例もあるが、ケースとしては、シーア派スンニ派を殺す事例のほうが数が多いということだ)。

事態は日々酷くなっていくにも関わらず、私達は急速にイラクへの関心を失っている。開戦前後に、イラク攻撃反対に立ち上がった3万人の日本の市民は今、どうしているのか。一過性の感情に基く支援や抗議行動ではなく、持続的な取り組みも必要であると感じた。

特に出来ることもないのだが、PEACE ONに参加させていただいた。今後とも、出来る範囲でイラクや中東問題に関わっていきたい。それが軍隊を派兵した「第一世界」の市民・国民である私達が果たすべき義務であると思う。

電車の中で、マリガン・ミーツ・モンク、アート・ブレイキー &ジャズメッセンジャーズのモーニン、マイルス・デイビスのオン・ザ・コーナーを聴く。すっかり虜になる。音楽は本当に素晴らしいと感じる。もっと分析的・批評的に語れるようになれれば良いのだが、なかなか難しい。

姜尚中ナショナリズム』(2001年、岩波書店)を読む。『姜尚中政治学入門』には落胆したが、この本は凝縮された網羅的な内容だ。柄谷行人の『ネーションと美学』などと共に読み、ナショナリズムの理解を深めたいと思う。

検索で見つけたサイト。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0956.html