恐るべき「現実」

この国で、何か不気味なことが進行している。取り返しのつかない、何か。それは、人々にプレカリアート=不安定状態の生を強い、生の全体を労働に変え、ごく一握りの特権階級とそれ以外の「負け組」を生み出す。それはかつての(一世紀前の)「社会ダーウィニズム」の反復なのだろうか。格差を生み出し肯定するイデオローグ達の、驚くほど陳腐な言説が、現に生々しい「現実」を構成してしまっていることの恐ろしさを思う。この恐るべき「現実」に如何に抵抗すればいいのか? それは分からない。だが、手探りで進むよりほかない。