精神科養生のコツ作者: 神田橋條治出版社/メーカー: 岩崎学術出版社発売日: 1999/05/12メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (14件) を見る

神田橋條治『精神科養生のコツ』p53-54より抜粋。

(7)のたうち回る
二日酔いのとき、高熱が出たとき、運動をし過ぎた夜、などに、寝床でのたうち回ったことのある人は多いでしょう。あれは、苦しいときには良い方法です。そして、あののたうち回りは、背骨の調整や全身の筋肉のほぐしの効果があります。体であれこころであれ、苦しくて仕方がないとき、こののたうち回りをしてみてください。「気持ちがいい」ならば、しばらくしていると、そこから次のアイデアが湧いてくることもあります。洋式のベッドはのたうち回りをするのに向きません。柔らかな布団の上もやりにくいものです。畳の上が一番です。このとき、単に体全体を七転八倒するだけでなく、手首・足首や手指・足指の一本一本もぐにゃぐにゃと動かすようにしましょう。体を柔らかに動かすには、重力に逆らわないほうがいいので、畳と身体の接触面をできるだけ広くしましょう。そうすると、釣り上げられた蛸が漁船の板の間をはい回っている様子に似てきます。ボクはひそかに、「バレー・瀕死の蛸」と名づけて愛用していますが、あまり人に見られたくない格好ですね(図4-1)。あなたの疲れやこころの悩みにたいして、のたうち回りが「気持ちがいい」つまり有効だと分かったら、ぜひ、プールにいって、水中でのたうち回りをしてみて下さい。水の中では浮力がはたらくので、七転八倒がしやすいのです。しかも水泳には、他にもいろいろな養生効果があります。それについては、別のところでお話ししましょう。