短歌━━敗北の文学?

femmelets2005-12-21

悲しみに沈み入りつつ仕事へ行き無為に過ごして虚しさ感ず

鮮明な夢ばかり見てゐるけれど夢の中には移り住めぬ

眠り込む日々をば過ごしけだるさに包まれるのもこれも贅沢

吾がバンドは客呼べぬまま年を越すライヴいつまで続けられるか

塾勤め続けられるもいつまでかその後のことは目処すら立たず

胸の奥に重い塊り根を張りて吾が毎日が暗くなりゆく

服薬の量を減らしてゐるにせよ日々の気分が悲しく重い

図書館で哲学書をば借りてきて訳者に知人の名を見つけたり

図書館で哲学書をば借りてきてその読み難きに躓きてゐる

寒さ故心迄もが凍りつく寂しさからかwebを弄りて

両親の庇護の下に暮らしつつ三十路を迎へ沈み込みたる

労働も軽きに過ぎて罪責の思ひばかりが募りてゐたり

明朝は障害児らに音楽を奏でる為に電車に乗れり

母親と共に観てゐたメロドラマ陳腐な筋書き晒してをり

哲学を遠く離れてゐる吾はかつての道に二度と戻れぬ

平穏な日々が続くを感謝して小さな幸せ大切にする

父母共に七〇歳を越へてきて老後の蓄へまるで無きなり

保険なく年金もなく貯金なし吾らが未来は明るくはなし

教室で学んだ日々を夢に見てノスタルジーを感じてゐる

退屈の魔に襲はれし一瞬も吾が生活は安逸過ぎて

借財も返せぬままに年を越し迷惑ばかりを人に掛けてゐる

冬空に生活再建を誓ひしもやがて虚しくなつて仕舞へり

身体に元気の素が欠けてゐる日常動作も億劫なれば

吾が日々は希望の種も見へぬまま新たな年を迎へる模様

他人らを傷付けるべき言葉吐き絶縁状態続けてをり

無為故に寝逃げに走る日々なれどいつの日にかは蹶起するのか

呼び掛けを求めて待つ日々送り遂に声は吾を捕へず

家族の愛情のみを大切に日々を凌ぎて堪へて過ごせり

教育に幾ら投資をしてみても院生崩れの未来は暗し

吾が命家族たちには宝物されど本当はゴミかも知れず

俳句

冬空を仰ぎてけふも茶を啜る

弁当を食して過ごす冬の夜

寒波来て鼻水垂らし仕事行く

雪降らぬ関東に住み暮らしをる

ピアノ弾き障害児らに逢ひに行く