イスラエルには憲法がない

今日初めて知って己れの無知を恥じたのだけど、イスラエルには憲法がない。
http://www.onweb.to/palestine/siryo/islcitizn.html

 もう一つの大きな問題として、基本的人権の一つである「家族統合」の権利を否定している点があります。家族がそうしたいにも関わらず、何の落ち度がないのに、長い間にわたって一緒に暮らすことができず、それが国という権力によって阻害されていることは受け入れがたいことです。(現実には起こっていることですが、、)。1948年に採択された「世界人権宣言」では、「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。」(第16条3)と、謳っており、家族に対する概念は50年以上経た現在、揺ぎ無い基本的人権として定着しています。また世界人権宣言に述べられた理念はその後の国際人権法に反映され、イスラエル政府はそれらの国際人権法(自由権規約社会権規約人種差別撤廃条約子どもの権利条約など)に自ら「進んで」調印、批准しています。
 よって“中東唯一の民主主義国家である”イスラエル政府が、自らが加盟して、遵守義務のある国際法を無視して、「差別」に基づく「家族統合」への権利違反をしていることは深刻な問題です。イスラエルは「西岸とガザは占領地でない」(!?)と公言していますが、広く支持されている法的解釈として、イスラエルは占領者であり、従って占領地の住民に対して自国が加盟している国際法を適用する義務があると言えます。(下記のアムネスティとヒューマンライトウォッチのジョイントレターにも、イスラエルが違反してい国際法、その条項などがあげられていますので、参考にしてください)。また国内法の観点から、イスラエルには憲法はないものの、準じる法律はあるようで(将来の憲法に向けた基本法のことでしょうか)、イスラエルの人権グループはその精神(人間の尊厳と自由の擁護)に反していると主張している、とハアレツ紙(8月2日)は触れていました。

また、

それから、今回の法改正が「違憲だ」という批判があることについてですが、安藤さんがおっしゃるとおり、イスラエルには憲法がないですね。これまで、何度か憲法制定の動きはあったのですが、実現には至りませんでした。細かい経緯を言うときりがないと思いますが、短絡すれば、この国が「シオニズム」原則を持っている以上、そもそも「憲法」を成文化することがそもそも不可能だっていうことが、根本問題としてあると思います。それはさておいても、安藤さんも引かれたハアレツ社説には、合憲性に疑いがあるとしたところで、「ユダヤ人でもアラブ人でも法の前にはすべての市民が平等であるとしてきたこれまでの基本的な価値観を損なうものだ。」と書かれています。現実の施策においては、もちろん「平等」なんてものはなかったわけですが、平等の言質をとられるような宣言や法律はあって、それらの集合体が「基本法」的なものとして見られてきました。が、話を戻すと、それを成文憲法化はやはりできない、っていうのがやはり背景にあると思います。