この爺さんらから、眼が離せない 今「改憲阻止」が面白い
元赤軍派議長の塩見孝也 http://homepage2.nifty.com/patri/ に誘われて、「9条改憲を許さない6・15共同行動」に参加してきた。それが非常に面白い経験だったので、是非皆さんに紹介したいと思い、筆を執った。この共同行動は、9条改憲阻止の会 http://www.jca.apc.org/kyujokaikensoshi/ という60年安保、70年安保を闘った世代の人達を中心に構成されている団体が陣頭指揮を取っているが、その運動スタイルが実にユニークであり、恐らく本人らの意図を超えたところでユーモアを身に帯びてしまっているところがある。今日の集会→デモは、1,000人を超える多数の人の参加で非常に盛り上がり、警備の警察官らも慌てていたほどで、大成功といえるが、今日のデモの面白さは単に人数が多かったというだけではない。いろいろな創意工夫、発明、仕掛けが多々盛り込まれていたのだ。
例えば、「9条改憲阻止」と書かれた赤いタスキ(500円)。また、これが一番面白かったのだが、カスタネットと一体になったメガホン(300円)。今日のデモは、このメガホン-カスタネットを打ち鳴らしながら、いろいろな歌を歌ったりしたのだ。
例えば、「幸せなら手を叩こう」の替え歌で、
などと繰り返し歌うのだ。これは、若者らのサウンドデモとはまた違った意味で面白かった。このアイデアを提案した人はベタに本気だったとしても、他者から見るとこれは非常にユニークで笑いの要素を含んだものにみえる。本人の意図とはズレたところで、ユーモアが生じているのである。私は以前、やはりこの界隈のデモのシュプレヒコールで「孫に憲法9条を残そう」というのがあるのを聞いて、思わず笑ってしまったが、そういう巧まざるユーモアが横溢しているのである。
この面白さは、当事者らがベタに本気であり、極めて実践的に「行動」し続ける中から生まれている。例えば9条改憲阻止の会は、ウェブサイトでも報告されているように、極めて長期間の国会前でのハンガーストライキ・座り込みに取り組んできた。そして今日の集会で、そのハンストに全部参加し続けたという高齢の男性が発言したが、その人は文字通り自分の孫らを集会に連れてきていた。また、ハンストにも4人いるという孫らを次々に連れてきていたのだという。さらに、米は食わなかったが酒は飲みつつハンストを貫徹したという別のお年寄りは、「もうこの歳になったら、誰に遠慮することもない。この闘争に勝利して、思い切り皆で乾杯しよう」という意味のことを述べていた。それから、肝臓癌に冒されて文字通り死に掛けている人も駆け付け、病魔との闘いにも必ず勝つが、安倍が売ってきたこの「喧嘩」買わないわけにはいかない、と意気軒昂と語っていた。
私は、それを聞きながら、「この人達、面白い」と思っていた。賃労働から引退した「引退者」のみが主体的に運動を担い得るというNAM(柄谷行人)の理論を身をもって実証してしまったかのようなこの老人達は、自分の残された人生の全てを掛けて、50年前に対決した岸信介の孫・安倍晋三と闘っている。その闘いぶりがベタでマジであればあるほど、周りからはそれはユーモラスにみえる。が、ドン・キホーテを笑うような冷ややかな笑いではなく、共感的な笑い、「いい歳してよくやるよな」と思いつつ、その実践的ラジカリズムに敬意を表さざるを得ないような、そういう実質的な「何か」が確実にあるのだ。
この集会→デモでは、9条ネット http://9jo-net.org/ から7月の参院選に挑戦するZAKI http://zaki.seesaa.net/ 、成島忠夫 http://www.naruchu.org/ とも話したが、政治的にどうこう言うよりも前に、私は彼らの人間的魅力に心打たれた。彼らは我欲や利己心のない、実に爽やかで心暖かな人柄である。政治的な思想信条や政策も勿論大事だが、それ以前に基本的なものとして必要なのは、人間らしい人間である、ということではないだろうか。その人の人間味に触れるように感じられた時、信頼が生まれるのではないかと思う。
また、私は頼まれて津軽三味線を日比谷野外音楽堂で10分程度披露したのだが、初め、改憲阻止という政治的なテーマと津軽三味線がどうにも結びつかないように思い、ちぐはぐさを感じていた。が、結果的には、非常に良かったと思う。それは会場の多くが、高齢の男女(とはいえ、男性が圧倒的に多かった)であったので、彼・彼女らを励まし元気づけるものとして、津軽三味線は抜群に意味があったと思うのである。
ともあれ、われわれの闘いは始まったばかりである。国民投票が予定されている2010年まで、或いはそれを超えてなお闘いは続くのだ。今後の数年において、今日活躍していたような年配の方々の言動からは、眼が離せないと感じる。読者の皆さんも、共に闘わん!
KARIBUさん来訪
マイミク・KARIBUさん http://sak2-2.tok2.com/home/DugongPeace/ がCafe LETSを訪れる。ジュゴンのアクセサリーを持ってきてくれたほか、毎週金曜日に店に来ていただけることになる。
タニケン来訪
タニケンが来て、菊地雅章(ぷーさん) http://www.lovemoka.net/poo/ とか聴かせてくれる。友情に感謝。
どういうわけか
餓鬼の頃から家にこれのテープがあったんで、俺小さい頃から暗記するほど聴き返してる。サックス吹きだった親父(実父)が好きだったみたい。☆5つ
『モンクス・ミュージック』もいいがちょっとアンサンブル乱れてるところあるよね? (有名な「コルトレーン、コルトレーン!」のとことか、「エピストロフィー」でホークが入り損ねてるとことか。)
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狂気の解放?
私は長年(高校生の時から)ドゥルーズ=ガタリを読んできた者ですが、ガタリの臨床実践に関する情報がもっと入ってくればいいのにな、と思っています。今公刊・翻訳されている限りでいえば、『精神の管理社会をどう超えるか』などから推察するよりほかありません。
そこからは、ガタリが、「役割分担表」を重視して、病院なりデイケアなりの施設での役割の固定化を打破しようとしていたことや、例えば「料理を作る」といった具体的でちょっとしたことから生を変えることを目指していたのが分かります。
また、ガタリは、症例報告が極端に少ないのですが、しかし『精神分析と横断性』に一つあります。面白いのは、カフカを思わせる若い患者に、カフカのテキストを筆写するという療法?を提案していること、面接への「第三者」の導入としてテープレコーダーを持ち込み、次回面接時に相互の合意のもとにテープを消去していたことなどです。
私が個人的に好きなのが、ネグリの証言で、ガタリが或る患者を治療しようとしてどうにもできず、ただ泣いていた、というエピソードです。ガタリが実に人間味溢れる人であったことが窺われると思います。
「狂気の解放」なるものが、人間の潜勢力なり創造性の解放であればいいのですが、実際には患者=受苦者らはもろもろの症状に苦しんでいます。それをどうすればいいのか? というのが、木村敏や神田橋條治の「反精神医学運動」への批評であった、と思います。
- 作者: フェリックスガタリ,フランソワトスケル,菅原道哉,ジャンウリ,高江洲義英,ダニエルルロ,市川信也,F´elix Guattari,Danielle Roulot,Fran〓@7AB7@cois Tosquelles,Jean Oury,杉村昌昭,村沢真保呂,三脇康生
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浅田彰の紹介にも問題があったかもしれないが、フロイト、フッサール、ハイデガー、フーコーを参照して精神疾患を考えるのは意義がある仕事と看做され、ドゥルーズ=ガタリのほうは敬遠され舐められてるみたいな現状には苦々しさを覚えています。