Herve Guibert

エルヴェ・ギベール『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』(佐宗鈴夫訳、集英社)、p.15-16.

問題の病気のことを最初に教えてくれたのは、ビルだった。たしか、1981年のことだ。彼はこの病気による死者の最初の臨床報告をアメリカの医学雑誌で読み、帰国した。彼自身よくわかっていない様子で、半信半疑の口ぶりだった。ビルはワクチンを製造している…