Helve Guibert

エルヴェ・ギベール『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』(佐宗鈴夫訳、集英社)、p.70-71.

ミュージルは亡くなる数カ月まえ、グラシン紙のカバーの『自省録』を書棚からとり出し、愛読書の一冊だと言って、ぼくにくれ、心の安らぎをとりもどすために読むよう勧めてくれた。(中略)『自省録』をもらったとき、ミュージルから聞いたことだけれど、マ…