高橋源一郎

陽がくまなくあたっている伊勢崎町交差点は死躰で一杯だった。

陽がくまなくあたっている伊勢崎町交差点は死躰で一杯だった。死躰たちは、押し合いへし合いタバコをくわえ口笛を吹き腕を組みあくびをし風船を喪くして泣きわめき鼻をかみ屁をこきせびり走り転び地だんだをふみ痰をとばし尻をなで万引きし喚き立ち小便しマ…