閑吟集

夢の夢の夢の世を 現(うつつ)がほして

何(なに)せうぞ くすんで 一期(いちご)は夢よ ただ狂へ 燻(くす)む人は見られぬ 夢の夢の夢の世を 現(うつつ)がほして 思ひ出すとは 忘るるか 思ひ出さずや 忘れねば およそ人外の有様を しばらく思惟してみれば 傀儡棚頭(かいらいほうとう)に彼我…