友人の掲示板に投稿した意見

結局、寡頭制/貴族政が望ましい、という意見は多そうだね。いまや、世界の大多数の国々には貴族などいないわけだが、その代わりにテクノクラートや専門家がいるわけだろう。

専門家支配に民主主義的な観点から批判や非難を加えるのは容易いだろうが、では、素人の集まりである多数者に妥当な判断ができるのか、という反問は常にあるだろう。

伊藤光晴の『政権交代の政治経済学』。彼は「低い民度」、「庶民」と言っていた。彼はリベラルだが、それでも現状の大衆民主主義には絶望している。絶望してはいないかもしれないが、多大な困難を感じている、ということだろう。

この間菅直人氏のブログを全部読んだが、彼は劇場型政治を問題視している。それは恐らく誰でもそう思うだろうが、それをどうすればいいのだろうかね。テレビであれネットであれ、大多数の人々がそういうものに強く影響されているのはどうみても事実だろう。理性への訴え、正気への訴え、というのは、多くの場合、耳を傾けられないのである。

と、偉そうに言ってるけどね。実際、どういう方向、観点からみても、端的に非常に難しい状況だ、としかいえないだろう。知識や情報、認識や真理。また、個人的/社会的な行動。倫理/道徳/習慣。そういう意味でのエートス。政治。経済。テクノロジー。メディア。とりあえず現実は日々確かに示されているわけで、そこから出発する以外にないとは思うが。