ふたわ診療所(二和病院)にて父親の大腸内視鏡検査終了を待つ間の読書
東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社)は、並行世界というSF的な設定よりも、村上春樹を参照しながら語られる「三十五歳問題」、そして地下室人の生という実存的な問題が印象に残る。
島津忠夫訳注『百人一首』(角川日本古典文庫)では、十三番、陽成院の「つくばねの峰より落るみなの川こひぞつもりて淵となるぬる」が昔から好き。
正岡子規(土屋文明編)『子規歌集』(岩波文庫)は実はよく分からぬ。が、病院にいるので、明治31年に作られた「古庭の萩も芒も芽をふきぬ病癒ゆべき時は来にけり」(碧梧桐選)が印象に残った。
与謝野晶子自選の『与謝野晶子歌集』(岩波文庫)、「乱れ髪」に収められた「やは肌のあつき血潮に触れも見でさびしからずや道を説く君」は超有名な一首だが、やはり心を打つ。
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