優しい息子というけれど

うちの両親も、ネットの友達も、私のことを優しい息子だというのだが、自分では違っていると思っている。
というのは、芸音の会員さんの息子さんの多くが私と同世代なのだが、彼らは年収数千万円も稼いでいる。自分にそういう真似は逆立ちしてもできない。
また、両親が望むような成功、というか、芸術的成功のようなものも覚束ないと思っている。StickyBluesさんが私の映画を撮影してくれるとか、真哲君が私が自叙伝を纏めるのを手伝ってくれるとか、そういうことがあったとしても、私が突然、ブレイクするとか、爆発的に売れるようになるとか、有名人になれるとか、或いは芸術的に非常に高い達成をするということはまずないと思う。つまり、自分は両親のあらゆる期待を裏切る、「失敗した存在」なのである。
だからそういう自分は、せめて両親に優しくする、両親を大事にすることしかできない。
そもそも自分は、親から精神的、経済的に独立、自立するという最低限のことすらできていないし、今後もできない駄目人間である。そうであるならば、できることをやるしかない。敢えていえば、そのことが(そしてそれだけが)私にとっての「倫理」である。