地域通貨の困難〜需給の不一致

地域通貨には沢山の困難があるが、そのなかで最大のものは、需給の不一致ではないかと思う。要するに、売れるものがない、欲しいものがない、ということで、地域通貨「経済圏」とか地域通貨「市場」形成が困難ということである。
資本制の市場では、お金さえあれば、欲しいものはほとんど何でも手に入る。賃労働すれば、お金は手に入る。だが、地域通貨の市場では、そのようにシンプルにはいかない。地域通貨を持っていても、或いは(LETSやWATのように)自ら発行できたとしても、それを使えるところが少ない。また、地域通貨を稼ぐ手段も限られている。いきなり裸の労働力を売りに出しても買うところは少ないであろう。何らかの技能が必要になるのである。尤もこれは、資本制の労働市場でも同じかもしれないが。