東京都「暴力団」関係の条例に対する反対声明
東京都暴力団排除条例(案)に反対します
全国「精神病」者集団私たち「精神病」者は、多くの障害者を食い物にしてきた暴力団の存在に怒りを禁じえませんが、実はこの暴力団を利用してきたのは行政および国家権力、そして資本です。
すでに周知のように、都は「暴力団」が明らかに関連しているNPOを指定して、ホームレス支援施設としています。また宇都宮事件(知的障害者が強盗事件の犯人としてでっち上げられ、その後真犯人が出現した事件)においても行政は暴力団が知的障害者を食い物にしていることをわかっていた上で利用し、放置してきました。
こうした状況下で、都民に責務を一方的に負わせ、「暴力団員」との付き合いまで禁じるというのはいったいどういうことでしょう。条例案では「暴力団」の規定は非常にあいまいであり、罰則まで設けて都民に責務を負わせるにしても、一人一人の都民はいったい何を基準に判断していいのかわかりません。食い物にされている障害者の支援すら禁じられることにならないでしょうか。
私たち全国「精神病」者集団はその発足直後の1979年に第4回精神障害者全国交流会準備に向けて集まっていた際、それが、天皇が名古屋に来る植樹祭に偶然当たって大弾圧を受けました。名古屋弁護士会も一番厳しい「警告」を愛知
県警に出したほどの大弾圧でした。「暴力団」の規定があいまいである以上、この条例案では、私たち全国「精神病」者集団もいつ「暴力団」とされ日常的活動のすべてを封じられるかもしれないという危険性があります。
障害者の日々の命を守る私たちの活動が弾圧されるおそれがある以上、私たちはこの条例案に反対します。
2011年2月11日