民主主義2.0ってファシズムっぽい?

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201101060253.html
私が一番驚いたのは、鈴木健の、

分人民主主義を提起した鈴木さんは、人々の胃にセンサーを付けて生体情報をネットワークで収集する仮想の世界を例に、こう語っている。
「戦争をするかどうかの政治決定では、脳に聞くより胃に聞いた方がいいという可能性もあるだろう」

という発言だ。「胃に聞いた」結果「戦争をする」という政治決定がなされれば戦争をするのか? それが望ましいのか? また、そのような社会で、断固戦争に反対する人物はどうなるのか?

大体大衆の集合的な無意識などを持ち出す時点で怪しげな議論なのである。無意識は時に、残酷で破廉恥であり得る。例えば石原慎太郎東京都知事が、自分が総理大臣だったら北朝鮮と戦争して拉致被害者を連れ帰ってくる、などと放言したら、それに拍手喝采する「大衆」がいるわけだ。恐らくは無意識的、脊髄反射的に北朝鮮に敵意を持っている層というのが確実に存在する。だからといって、戦争をするという政治決定が正当化されるだろうか?

私は、いかなる意味でも、戦争は正当化されないと思う。大体、日本国には、先の大戦での加害・被害体験から得た憲法九条があるのであって、それを改正・撤廃しないことには戦争はできない。幾ら「集合的な無意識」とか「胃」がそうすることを望んだとしても。憲法九条は、理性ないし良心という審級にある。それは無意識よりも弱々しいし、建前チックに聞こえるかもしれないが、尊重すべきものだ。このように考える私は、「古い」のだろうか?