Philippe Entremont / Erik Satie / Je te veux

サティ:きみがほしい

サティ:きみがほしい

今審美眼が成熟した私がエリック・サティを聴きたいと思えば、フィリップ・アントルモンではなく、高橋悠治高橋アキを選ぶだろう。だがこのCDを購入した中学生の頃は、まだ右も左も分からず、カタログにたまたまあったアントルモンを買ったのだった。
だが高橋悠治高橋アキが良くて、フィリップ・アントルモンは残念な選択という意識自身、スノッブのものといえないだろうか? 新たにCDを購入して散財するのではなく、今持っているアントルモンを聴くことで、サティに入門するのがいいのではないか?
そういえば、偶然出会った或る人に、高橋悠治のサティを焼いてもらったことがあった。だがそのCD-Rは紛失してしまった。そしてその後、その友人とは絶交してしまった。私は絶交したりするのが実に多いのである。人格的な欠陥だとすら思う。だがそれもこれも、やむを得ないことなのである。