現代の海賊

http://black.ap.teacup.com/fukashinogakuin/
http://piratecom.blogspot.com/
この2つのブログに今日、出会ったのは偶然ではない、と思えた。わたしは、ギャングでありながら音楽(ラップ)をやる移民の子供らに現代の海賊の姿を見ずにはいられないし、矢部が書くように、日本においてはヤクザ(暴力団)は「山賊的」、つまり垂直的で縦割りでピラミッド型組織形態だとしても、そしてカタギとヤクザの間に乗り越え不能な障壁が設置されているのだとしても、世界的にみれば、ビジネスと犯罪、市民とギャングは連続的であり、「海賊的」なありようをしている。勿論暴力や殺人を讃美する気などない。だが、渋谷望が『魂の労働』で、酒井隆史が『暴力の哲学』で書いたように、POSSE=力の自己肯定は、周縁に追いやられた子供らの側にあるのではないか? それを大西巨人野間宏を罵倒したように、「不良の革命性」など語る奴は「俗情との結託」だと切り捨てるべきなのだろうか? わたしにはどうしてもそうは思えないのだが。

魂の労働―ネオリベラリズムの権力論

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暴力の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)

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