プレモダン

エリントンをプレモダンと言うことには抵抗があります。まず、以前も申し上げたように、私はジャズ総体を近現代の現象ではないかと思っている点。次いで、ジャズの中でも敢えてプレモダンというなら、ルイ・アームストロングのホット5等、ブルーバード栄光の遺産の『ニューオーリンズ・ジャズ』に入っている演奏、(よく聴いているわけではないのですが)ジェームズ・P・ジョンソン、ジェリー・ロール・モートン、ウィリー・ザ・ライオン・スミスなどの演奏を挙げるべきではないか、と思うからです。エリントンの音楽は近代西欧音楽(フランス印象派)から影響されたとも言われており、洗練度は高い。ジャングル・スタイルにしても、菊地成孔が書いていたように、「想像されたアフリカ」という意味合いが強い。とすれば、プレモダンというのは当たらないのではないか、と思うのですが。