を考える。

性 gender/sexualityを考えると、当然ながら複雑な現象であるといえる。生物学的要因も、歴史的・社会的要因も、本人の意思も、無視できないだろう。もろもろの条件が複雑に絡まり合って、性現象が生じていると考えるべきだろう。
そう考えると、いわゆる本質主義/社会構成主義構築主義)の対立は何だったのか、と思う。
私は、そもそも「本質」概念を哲学史的に追ってみるべきだと思い、あれこれ文献を漁ったり、自分で考えたりしたが、結局、経験論やプラグマティズムに近い結論になった。「名付け」「名乗り」は人間の発明物であり、その奥の実在的本質(ジョン・ロックの用語)は知り得ない、と。
だから、その人をどう呼びどう定義するかは、その人自身が自分をどう呼びどう定義しているかに従うのが最も良い。自己決定論である。それと、科学が性現象をどう解明するかは、また別問題。というふうに整理している。