妄想

元の倉庫の仕事に戻ることをふと、考えたりする。今のままでは経済的にやっていけない、行き詰まる。アーティストになりたい、哲学者になりたいなんて言ってる場合じゃない。生活が破綻する。その前に、もう一度倉庫の仕事に戻れば、月に15万円程度は稼げるだろう。そういう思いがある。
他方、絶対倉庫に戻りたくないという、ほとんど本能的な恐怖の念もある。辛かったこと、嫌だったことを次々思い出し、恐怖に凍り付いてしまう。
自分の将来を考えるが、明るいイメージは一切出てこない。研究者にも批評家にも作家にもピアニストにも津軽三味線奏者にもなれないだろう。
倉庫に戻れば、安定した収入を得られれば、借金も返していける。今の不安定な生活では、どうしようもない…。そういう思いもある。

小説を書くとしたら、老母との「一卵性母子」的な共依存・密着関係を緻密に細密に描いた小説を書きたい。題名は「ママコン」。

(老母が作った替え歌)

俺は国中で一番
ママコンと云われる男
山高ポンポンにプーアル茶
ダブダブのズボンにタンクトップ

(元歌)

俺は村中で一番
モボだと云われた男
山高シャッポにロイド眼鏡
ダブダブのズボンとセーラー