入浴後

眠れない、と踏んで一階の店に降りてきてジャズを聴く。が、睡眠薬の影響か、足元や指がふらつく。睡眠薬飲まずに徹夜したほうがよかった、と思う。
『攝津家の人々』の構想でも考えることにしよう。
幼い頃から、先祖のことを言い聞かされて育ってきた。要するに先祖は偉かったんだという話だが、私にはどうも、偉いとは思えなかった。
例えば、平安時代、貴族であったという。しかし、無能故に、「七公卿の都落ち」と言われるように、京都を追放されたのである。
その後、平家についたか源氏についたか忘れたが、戦争が下手で負け、追われて四国のほうの橋の辺りで首を切られている。
攝津今城守なんとかというのがこの人だと思うが、何だかドジで、愛すべきかもしれないが偉いとは到底思えない。何か攝津家の人々の間抜けぶりを暗示しているかのような生涯であった。
¥¥t時代は一気に飛んで、明治。ここで先祖は、マッチ工場をやっていたのだという。しかし、爆発。間抜けである。
昭和。祖母(攝津ミキ)と親戚らは、戦争中、戦後の時代を逞しく生き抜いてきたと思う。貧乏だったが、いかにも戦後派らしい生き抜き方をしてきた。それはうちの母(攝津照子)をみてもわかるが、他の親戚らも似たり寄ったりであった。
ここで一旦送る。