天下泰平

ふと思い立って半月ほど薬を断ってみた。両親は喜んでくれたが、非常に苦しく、やむなく服薬を再開した。薬を飲むと身体、精神の苦痛が嘘のように和らいだ。どの薬がどのように効いているのか分からないが、今の自分には薬は必要なのだと実感した。

相変わらず自宅にひきこもって生きている。音楽を聴く以外、何もしない。両親以外の他人との接触もない。これで35歳である。終わっている、と思う。

両親は、文筆なり音楽なりで一発当てるよう言うのだが、それが無理なことは自分自身よく承知している。一発逆転はない。くすんだ人生を生き続けるしかないことは、わかっている。今後、自分の生に特に何も起きないだろうこと、意味や価値がないだろうことを予期しつつ生きるのはつらい。だが、それは私に課せられた刑罰のようなものだ。生まれてきたという罪に対して課せられた刑罰。

ジャズを中心に聴いているが、専門的に詳しいわけでもない。音楽理論的な分析はできない。ピアノを弾くが、その技術も拙い。2ちゃんねるで散々叩かれているが、2ちゃんねらーの意見が正しいと思う。確かに私の音楽には価値がない。そう思いつつ、生きるのをやめることができない。

薬で苦痛は緩和されたが、人生の行き詰まりはもとのままである。どうにもしようがない。何もできず、どこにも行けない。それに堪えるしかない。つらいことだが。