寸評

ジョン・コルトレーン『ザ・ビリーヴァー』。1958年という充実期の録音、そして共演がドナルド・バードレッド・ガーランドとくれば、面白くないわけがない。あ、フレディ・ハバードの名前もある!僕はコルトレーンは1960年代の代表的な時期は苦手で50年代が好きだ。まだ、ハード・バップに留まっていた頃のコルトレーン。それは要するに、フリーよりもハード・バップのほうが好きだ、という意味かもしれないのだが。コルトレーンの吹奏は若々しく、颯爽としている。この前後のはみんなそうだ。『バラード』あたりにくると渋いのだが。

『オルガンLOVE』誰が演奏しているのかも分からぬまま、TSUTAYAディスカスで好奇心で借りた。日本人のオルガン中心のグルーヴ音楽のよう。こういうのも、たまにはいい。僕はナショナリストなので、日本人贔屓です。

村田陽一オーケストラ『スタンダーズ』。スタンダーズを名乗りながら、セロニアス・モンクのリズマニングとエヴィデンスから入るのは堂々としていて良い。充実したビッグバンド演奏だ。『コンポジションズ』も良かった。

Wes Montgomery / Tequila. クラウス・オガーマンのアレンジも秀逸、時たま取り出して聴きたくなる。ウェス・モンゴメリーは基本的にどれもいい。「夢のカリフォルニア」みたいなのも、もっとハード・バップっぽいものも。適応性あるギターだと思う。

バド・パウエルの芸術』については今日もう書いた。

阿部薫『風に吹かれて』。吹奏として最高に達しているのだろうがやはり難解に感じられた。突出した音表現はなかなか追いかけるのも大変。フリーの極北に日本人がいる、この不思議さ。

藤井郷子 four / When we were there. ラディカルなフリー演奏。藤井はCD出し過ぎていてどれから買えばいいか分からないが、どれもいいのだろう。これはジャニスでレンタルしたものと記憶している。

ブレッカー・ブラザーズ『ヘビー・メタル・ビ・バップ』。ヘビー・メタルとビ・バップが相性がいいのか悪いのかよく分からないがブレッカー兄弟の勢いだけは伝わってくる。僕はこういうの苦手なんだが。

ハンプトン・ホーズ『トリオ Vol.1』。こういうのいいです。ピアノ・トリオの理想的なありかたというかね。ガーランドとかもいいんだけれど。50年代に活躍した一群のピアニスト達、誰も好きです。