悪夢

酷い悪夢を見た。早稲田大学近辺を歩いているが、ふと二時から仕事なのを思い出しうどん屋の高橋さんの店に向かう。途中、伯爵さんのご一行とすれ違うが何故か冷淡な様子である。うどん屋には梯子で二階に登っていくようになっている。登ると、偉い先生の講演会の前座で三味線を演奏することになっていたのだった。それをすっかり失念していた。伯爵さんからも演奏を楽しみにしているとメールがあったのに遅刻してしまった。遅刻は十数分だがもう講演が始まる時間である。客席を見るが高齢者の方がまばらに座っているだけ。最初に何故か地域通貨のことを訊かれる。「(英語でよく分からない単語のことを言われ)って何のことですか?」「えっ何のことか分からないんですけど」「あなたが……」結局僕は、「ごみや廃物にアーティストが新たな意味なり価値、機能を見出そうとすることです」と答える。司会者は「じゃあQではそういうのが盛んだったんですか?」と訊いてくる。「いや、そういうのをやっていたのは僕くらいで、Qではあまり盛んではありませんでした。でも、今Qがあれば面白いことができると思うんです。当時はQはインフラという認識しかなかったんです」みたいなことを言う。そろそろ三味線を弾いてくれとのことでケースを開けるが二の糸が切れている。結ぼうとするがどうしても駄目で、「すいません二の糸が切れているのであと二、三分お時間をいただけないでしょうか」と言うと、司会者か伯爵さんが「じゃあ講演は明日やれっていう意味?」とすごく冷たく突き放した口調で言う。ここで目が醒めた。