二丁目恐怖症と性的不能

スタン・ゲッツを聴きながらしばらくベッドに横たわっていた。その時、纏まった額のお金が入ったら、二丁目の売り専に男の子を買いに行きたい、と考えた。そのような想像は、以前からよくしていたが、お金が入る可能性が現実味を帯びてきたので、ふと今日も考えたのである。

が、問題もある。それはぼくが二丁目恐怖症だということだ。二丁目が怖くて、一人で飲みに行けない。というか、ぼくはアルコールが駄目なので、飲みにけーしょん自体が駄目である。また、自分の容姿に性的魅力が皆無だと思うので、可愛い/格好良い男の子がいても、口説けないだろうと思う。そこで売り専で買うという発想になるのだが、同性愛でセックスワークを肯定するなら異性愛でもセックスワークを労働として肯定しないとおかしいし、異性愛でのセックスワークを否認するなら同性愛でも同じでなければならない。この点、ぼくは一貫性が無いのである。

さらに問題は、精神科の薬の影響なのか、性欲が全く無くなり、勃起も射精もできないということである。全く自慰をしなくても、夢精すらしない。三十二にして、性的には全く不能だと言っていいだろう。そんな人間が、セックスをしたいと思ったところで、できないのではないか。男の子を買ったとしても、勃起すらしなかったら……。恥ずかしいというより、情けないというか、三十路にして心老いたりという感じだ。

また、何人かの女性に関して、性的な妄想をめぐらせた。そして、自分が同性愛なのか異性愛なのか、或いはバイセクシュアルなのか、よく分からなくなった。ぼくにとっては、女性というのは全く謎である。

こんな馬鹿なことを考えている三十二歳というのは、世の中に他にいるのだろうか。疑問に思う。