音楽三昧の一日が終わる。

千葉市津軽三味線の県大会。
C先生とO先生を除くと一番巧いのは、三十歳の女性・MSさん。
ちょっと会話する機会があった。

ぼくが子どもの頃、加トちゃんけんちゃんのTVに出演し、それを親が自慢して回るので辟易していることを打ち明けると、彼女も「その番組に出ていた」という。
その録画ビデオを親戚中に配布するなど、親馬鹿ぶりも負けず劣らずだったとのことで、似た境遇だなぁと感じた。

MSさんは稽古と稽古の間練習はしないそうだが、ブランクなく子どもの頃から続けているので、一番巧い。
数年前、名取の資格も取得したという。
ぼくも欲しいが、金が無い(笑)>名取の資格

MSさんは美しいし、魅力的でもある。
邦楽という或る意味「緩い」世界に棲息している、不思議な人である。
彼女と会話できたのは楽しいし、面白かった。

あ、面白いエピソードもうひとつ。
C先生が楽屋で、癇癪を起こして三味線を足で踏みつけたら、折れてしまったのだという。
それで、300万円の楽器がゴミに。
300万円ですよ、300万円。3万円じゃないよ。
なのにC先生はそれを笑って話すんだよ〜
ぼくなんかとか金銭感覚とか経済観念まるで違うんだろうなぁ。
300万円もはした金なのかもねぇ。

ちなみに、ぼくの弾いている三味線は10万円以下の最も安い物です。
でも、三味線は楽器じゃない、腕だと思っているんだよねぇ。

京成千葉中央駅から新京成線直通電車に乗り込み、帰宅しようとしたら、ファンキー・シーズのメンバーに新たに加わったギターのSさんと遭遇。
ジャズやギターについて語り合う。
三咲駅クラリネットのSさんの車に乗り込み、芸音へ。
今日はSさんらと新しい曲をやったりしていたら、珍しくうちの父親が聴きに来るという。
なので、芸音もみじ祭りでやった曲を再演し、聴いてもらう。

で、ライブも終わり、夕食も終え、薬も飲んで、後はお風呂に入って寝るだけという状態で、この日記を書いているというわけ。

そういえば、ポストモダニスト宣言というのをしようと思っていた。
といっても、何も難しい話ではない。
アート・テイタムのファンであると同時に、アルバート・アイラーのファンでもあるということは、諸価値の多元主義相対主義を意味している。
複数の趣味=美意識が同一の主体の中に分裂的に同居し、それでいて齟齬をきたさないというのは奇妙な状態だ。
さらにいえば、最近一番ハマっているピアニストがレッド・ガーランドだといえば、何かわかってもらえるだろうか。
保守化? とも疑えるような感覚の変化が生じているのだ。
以前のぼくなら、レッド・ガーランドには退屈したと思う。
だけど今のぼくは、レッド・ガーランドのピアノに聞き惚れるのだ。
どうしてそういう変化が生じたのかはわからない。
ともかく、好きなものは好きなのだ。

と、ここで筆を置く。