「丸山眞男」をひっぱたいた人々

あかねに赤木智弘がやってきた時本人に面と向かって言ったことだが、戦後民主主義の欺瞞を告発し、「「丸山眞男」をひっぱたいた」人々がかつていたことを想起すべきだ。それは、全共闘。丸山を物理的・身体的に「ひっぱたいた」かどうかは知らないが、彼・彼女らは学園紛争で丸山の研究室を占拠し、蔵書を廃棄し、丸山は「君達はナチスすらやらなかった暴挙をやった」と悲鳴をあげ、それを『情況』で吉本隆明が揶揄している。吉本の批判の要点は、戦後民主主義を否定する全共闘は、戦後民主主義的な大学教師らの教え子であり、自分らの教育の「鬼っ子」ではないか、というものだった。

全共闘や吉本の論旨が正しいかどうかは吟味されるべき問題だが、ハイアラーキーや固定した階層に異議を唱えたのは右翼だけではなく、むしろ左翼であったことを想起すべきだ。